学術活動 Question! 学術誌へ自分の論文が掲載された際に著作権を出版社へ譲渡しました。自分の著作物なのですが著作権は自分にもありますか?

学術活動 Question! 学術誌へ自分の論文が掲載された際に著作権を出版社へ譲渡しました。自分の著作物なのですが著作権は自分にもありますか?

著作物を利用するための対応

 学術活動には多くの論文を参考にしたり引用したりしなければいけません。研究成果の発表や論文作成において、著作権の扱いについて知っておくべきことについて説明します。通常、取り扱う論文、書籍中の文章・図・表・写真・イラスト、講演、新聞記事、雑誌記事などはすべて著作物です。他人の著作物のコピー、改変して二次的著作物を作成し利用する場合には、その著作物の著作権者に了解を得ることが原則です。

 

自分の論文でも著作権が自分にない場合がある!

 論文やジャーナルなどの出版物に掲載されたものは、著者が「著作権を譲渡する」との契約を出版社と交わした場合は、出版社に著作権が移転することとなります。たとえ自分で書いたものであっても著作権者である出版元の使用許諾を得る必要があるので留意しなければいけません。著作物を二次利用する際には,各著作権者が決めている規定やガイドラインを参照しましょう。

 

著作権者の了解を得る必要がないものは?

 以下に記載するように、他人の著作物を「引用」する場合や、教育や試験の目的で利用する場合、正当な方法で行う限り了解を得る必要はありません。

 

適切な引用ってどうするの?

 抄録や論文を書く際に必要な引用。他の著作物の一部を掲載する行為を「引用」といいます。日本学術振興会によると下記の要件を満たせば著作権者の了解を得ずに引用して良いと考えられています。

・引用する著作物がすでに公表されたものであること(ウェブ上の公開なども含む)
・引用する必然性があること(自説の補強などのために他人の著作物を使用するなど)
・引用にあたる部分を明確に示してあること(引用部分を括弧で括ったり、書体を変えるなど、自分の著作物ではないことを明示する)
・引用する著作物を許可なく改変しないこと
・自分の著作物が主たる部分で,引用部分は従たるものであること
・出典を明記すること

 文献1)より引用

これらの要件を満たさずに他の著作物を利用した場合,著作権違反になるだけでなく,研究不正行為として盗用とみなされることがあるので、十分に注意しましょう。

 論文作成の際は、文献の番号と引用文献一覧を掲載することで明記することができます。これまでの知見に基づいたあなたの考察が、より根拠あるものとして読者にも伝わりやすくなるように記載していきましょう。

 

文責 公益社団法人 広島県理学療法士会 

学術局 局長 崎元直樹 学会部長 石田 勝 学術誌部長 高橋 真

引用

1)日本学術振興会「科学の健全な発展のために」編集委員 編:科学の健全な発展のために−誠実な科学者の心得− 丸善出版 東京 P73

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