広島県における小児理学療法の現状と課題

広島県における小児理学療法の現状と課題

広島県における小児理学療法の現状と課題

広島県立障害者リハビリテーションセンター 副所長 兼 若草園園長
志村 司 先生(整形外科医)

 

広島県において小児運動器・麻痺性関連疾患(脳性麻痺など)を専門とする医師が少ないため、関連するリハビリテーションを行っている所は、肢体不自由児施設や重症心身障害児施設、肢体不自由児通園施設が主に請け負っていました。その主たる現状は現在も大きくは変わっていませんが、少しずつ一般病院や在宅訪問リハ事業所、児童発達支援事業所など小児リハビリテーションを行う施設も増えてはきています。

しかし、我々が行っている治療も時代により変化してきており、麻痺性関連疾患なども整形外科的筋解離術が中心でしたが、近年、痙縮治療の考え方も変化してきており、ボツリヌス毒素療法、バクロフェン髄腔内投与療法、脊髄後根切断術など新たな治療法も出てきています。同様に小児整形外科疾患も先天性股関節脱臼が発育性股関節形成不全と疾患概念が変わるなど、それに伴い少しずつ治療方法も変化しています。当施設においても様々な治療方法を行っているため、保存期のリハビリテーションの変化、術後後療法の変化もあり、それぞれに対応させるリハビリテーション自体の変化、重要性が増してきています。

また、小児期におけるリハビリテーションにおいては、疾患への対応だけでなく、精神運動発達(成長という確実ではあるが、不確定要素が加わる)という側面も重要になってきます。本人だけでなく家族(特に親)へのサポートや、他職種との連携もより重要となってきます。そのためには、ライフステージにおいて、ある程度一貫した方針で携わる必要があります。さらに小児訓練は「ハビリテーション」であるという認識が必要です。考え方はいろいろあるとは思いますが、自分たちの訓練の仕方によって、その児の将来が変わってくる可能性があるのだと意識できるかも重要なことと考えます。

最後になりますが、我々は小児というカテゴリーで考えていますが、実際には成人期以降も診続けなくてはなりません。これまでは、あまり注目を浴びてきませんでしたが成人期にも大きく変化してきます。二次障害という当事者にとって切実な問題に対しても小児期から意識して対応する必要性もあります。現状においては、小児疾患に関わる施設間において、疾患に対する認識や治療に対する考え方に大きな隔たりがあります。

小児疾患に携わる関係者がご家族の利便性、施設の特徴などをいかした医療提供などのためには、それぞれの立場でその児の病態・治療方針などを一致していけるように意見を交換できる場を増やしていく必要性を感じています。

ページトップ