初めての学会発表

初めての学会発表

平成28年12月4日(日)福山市で第21回広島県理学療法士学会が開催されました。 理学療法士のルーキーたちも学会直前まで試行錯誤しながら準備し、緊張と不安の中で初めての学会発表を終えたのではないでしょうか。

今回は国家公務員共済組合連合会 吉島病院の阿部 夏音さんにお話をお聞きしました。

初めての学会発表はどうでしたか?

本番はとても緊張しました。自分より臨床経験の長い方々の前で発表するのは院内での勉強会以外では初めてだったので、壇上で観客席を見た瞬間、「学会で発表する」という実感が一気に湧き、それと同時にどっと緊張しました。発表が始まってからも緊張は続きましたが、職場の先輩方がスライドをみてくださったり、予演会をさせてくださったりしていたので、練習通り発表することができました。発表を見にきてくださっていた病院の先輩方が一般演題終了後にすぐ声をかけにきてくれたのが嬉しかったです。「緊張してたね、声が震えてたよ。」と言われてしまいました。また広島県内の発表だったので、学生時代の友人や先生、実習でお世話になっていた病院の先生方ともお話しできたのでよかったです。仕事はどうか、どんな研究をしていきたいか等、1年前は想像もしていなかったような話をたくさんしました。

どんなことを発表しましたか?

当院で実施しているCOPD教育入院という制度の現状を報告しました。当院は呼吸器疾患患者が多く、HOTを導入されている方も多くいらっしゃいます。呼吸器疾患患者にとってHOTはできるだけ避けたいものだと思いますし、実際に「できるならまだ酸素は吸いたくない。」との声もよく聞きます。理学療法士に限らず病院スタッフが介入することで少しでも長くHOT導入までの期間を延ばせるのであれば、という思いから、当院では2年半前にCOPD教育入院制度を導入しました。当制度の現状や効果を知っていただければと思い発表しました。

研究の計画から今日までの準備の中で、一番勉強になったことは何ですか?

この研究を行うにあたって、COPD教育入院制度を利用した方々が書いてくださったアンケートをすべて読みました。読んでいく中で、一人一人の思いや目標、生活があることを改めて痛感しました。同時に一人一人に合った教育ができているか、どのようにすればその患者にとって最も有意義な教育入院になるのか考えなければならないと感じました。
当制度は多職種で行っていますので、研究を進めていく上でどの職種がどのような介入を行っているかを改めて調べました。その中にはそれまで知らなかったこともあり、他の職種が実施している内容をきちんと把握する必要があると感じました。多職種介入というと各々の職種が専門性を持ち、その分野に対して専門的な介入を行うものと思いますが、それぞれの職種が自身以外の職種の介入内容や重要となるポイントを知ることで、より患者さんにとって有意義な介入ができるのではないかと思います。運動なら理学療法士、栄養なら管理栄養士と線引きして各々が役割を果たすだけでなく、多職種チームとしてうまく連携しながら、栄養と運動の関連であったり日常生活と薬の関連であったり、患者の目線に立った多職種介入を行っていくことが重要ということを実感しました。多職種の連携を密に行っていくことの重要性を再確認できたのでよかったです。

学会の中で次の発表や次の研究に生かしていくために何かヒントになることはありましたか?

今回の研究は当制度の現状や即時的な効果のみをお示ししたので、発表後の質問でも長期的な予後について尋ねられました。また身体機能の変化等のリハビリテーションに関連する内容についての質問もありました。長期的には郵送でアンケートをとっていますが、理学療法士としてもっとできることもあると思うので、そちらについても検討していきたいと思っています。また、この研究を行っていく中で、この制度でHOT導入を予防できているのか、教育入院以外にも何かできることはあるのかと疑問に思いました。これらの疑問を次の研究に生かせたらと思います。

まだ、理学療法士になったばかりですが、これからどんな理学療法士を目指しますか?

4月から今まで仕事をしてきた中で、知識や治療手技を身に着けることももちろんですが、正しい情報をいかに上手に伝えること、わかりやすく動作方法等を教えることが非常に難しく、どのように伝えれば日常生活の中で生かしてもらえるかと悩んでばかりの日々です。またわかりやすく伝えようとするほど自分の持っている知識が曖昧であることを痛感しています。少しでも多く日常生活に取り入れてもらうために、患者さんの生活に合った方法や自主トレーニングを具体的にわかりやすく示し、理学療法士がいないところでも覚えていてもらえるように、先輩の指導方法などをみながら日々勉強しています。指導の仕方や与える情報の優先順位など勉強になることばかりですので、私も少しずつ身に着け、患者さん一人一人、また同じ患者さんでも病気の時期や症状に応じた理学療法を提供できる理学療法士になりたいと思っています。

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