学会参加者インタビュー (Asian Confederation of Physical Therapy 2016 Congress)

学会参加者インタビュー (Asian Confederation of Physical Therapy 2016 Congress)

平成28年10月7日・8日にクアラルンプール (マレーシア)でAsian Confederation of Physical Therapy 2016 Congress (アジア理学療法学会2016)が開催されました。異国の地で開催された学会に、広島からも理学療法士が参加し、熱い議論を交わしました。今回は、広島からの参加者のお一人、梅原拓也先生 (社会福祉法人 恩賜財団 済生会呉病院、広島大学大学院)に参加された印象などをお聞きしました。

今回の学会ではどのような研究内容を発表されたのですか?
また、発表の場として国際学会を選択された理由があれば教えて下さい。

 今回の研究タイトルは、「大腿骨近位部骨折患者の入院中の身体機能および歩行能力から術後1年のADLが予測できるか?」でした。今回の研究内容は、研究施設が済生会呉病院と済生会広島病院の共同研究、分析方法として術後1年のADLを従属変数、入院中の身体機能と活動の変数を独立変数として、ロジスティック回帰分析を行いました。その後にROC分析やベイズの定理を使用して診断性能を抽出しました。研究結果としては、入院時のHDS-Rが抽出され、カットオフ値が15点未満、感度0.73、特異度0.76、陽性尤度比3.03、事後確率63.0%であり、術後3週のBarthel Indexの歩行項目が抽出され、カットオフ値が5点未満、感度0.82、特異度0.92、陽性尤度比10.22、事後確率85.0%でした。
 また、発表の場を国際学会に選択した理由は、アジアの理学療法士のレベルを確認したかったことと自分の研究の示唆を日本のみだけでなくアジアの理学療法士にも見ていただける機会を作りたかったからです。

発表内容に関してアジアの理学療法士の反応はどうでしたか?
どんなディスカッションをされましたか?

 反応的には、良くもなく悪くもなくといったところでしょうか。質問者は、3名と少なかったです。ただ、多くの方が私のポスターに足を止めて見ているのを見て嬉しく感じました。ディスカッションは、基本的に方法論についてでした。私の分析は、回帰分析にて要因を抽出するだけでなく、診断性能も出しています。診断性能を抽出している報告は、国際的にも少ないためかその点の質問が多かったです。

この記事を読む多くの方が気になるのが英語でのコミュニケーションだと思います。
もともと英語でのコミュニケーションは得意ですか?
また、今回発表前にどのように練習されたのですか?

 私は、英語があまり得意でありません。発表前には、通勤時の車内で英語の教材を流したり、移動の時には、携帯に入れて聞くようにしていました。また、本を購入して出勤前には、必ず勉強していました。

アジア各国での理学療法のトレンドの違いはありましたか?

 私的には、アジア各国での理学療法のトレンドの違いを感じませんでした。ただ、演題発表に限っては、運動器や基礎研究などが少なかったよう感じます。

国内の学会と国際学会で異なることや気づいたことがあれば教えて下さい。
また、特に印象に残った発表はありますか?

 国内の学会との相違は、質疑応答がとても活発であったと感じました。国内は、温厚なディスカッションが多い印象を受けます。国際学会に来るような強者は、自分の主張があり、それに反すると納得いくまで討論をする印象を受けました。もちろん日本でも一部では、熱い議論が交わされていうことは承知ですが、日本の学会より熱い議論が多かったと思います。
 また、特に印象に残ったのは、オーストラリアのクイーンズランド大学で教授をしているHodges氏の特別講演です。Hodges氏は、理学療法士でありながら医師免許も持っています。腰痛の研究をしている世界的な有名な方の講演は、とても理解しやすく勉強になりました。医師と理学療法士の2つの免許を有しているためか、腰痛のメカニズム、疼痛の種類や理学療法の効果についてとても深い話が聞けて感銘を受けました。

クアラルンプール(マレーシア)の観光はどうでしたか?
お勧めのスポットがあれば教えて下さい。

 学会会場の裏にあるブキッ・ビンタン通りは、雰囲気や臭いなど全てにおいて東南アジア感がありとても良かったです。毎晩、ブキッ・ビンタン通りで食事をしました。また、最終日には、マレーシアのシンボルと言っても過言ではないツインタワーを見に行きました。下からの景色だけでしたが、絶景でした。写真をとってもCGのような合成写真と間違われるほどでした。

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